氷山の一角

デビューしたばかりのアーティストが
わずか2曲の持ち歌を大切に歌っているとき、
その背景には世に知られることのない
100曲近いボツ曲があったりします。
ピラミッドのようにコツコツと積み上げて来た努力の結晶のうち、
見えているのは頂(いただき)にある、ほんのわずかな部分のみ。

つまり採用率はわずか数パーセント。
これはそのアーティストが出来うる最も良い仕事だけが、
お客様に聴いていただく価値があるという必然の原理からです。

もちろん音楽に限ったことではなく、
例えばラーメン屋さんだって、
よもや思いついたばかりの新しいラーメンを
いきなりメニューに載せるはずもなく、
お客様にひとつ、新しいラーメンを
お出しできるようになるまでには、
それこそ何百杯もの試行錯誤を繰り返すはずです。

歌いこなせる100曲の持ち歌を得るまでに
かかる時間は人によって様々。
数ヶ月でやり遂げてしまうこともあれば、
10年経っても半分にもならないこともあります。

もちろん物事には例外もありますが、
それは並外れた努力と才能、そして、
ささやかな幸運を持ってのみ得られるものです。

以前に「成長の仕組み」の記事で、
私は先輩方に追い付くために必要な技術を習得すべく、
1日18時間のスキルアップを3年続けたと書きましたが、
これもそうした理(ことわり)をよく感じていたからです。

成功=努力×才能×時間

足りないものがあっても大丈夫。
他の要素で補えば良いのです。